失業保険(基本手当)を受給中の方の中には、「スキマ時間に少し働きたい」「収入ゼロでは不安」という理由で、タイミーなどのスキマバイトアプリを活用したいと考える方も多いでしょう。
実際にタイミーで働くことは可能ですが、収入の申告方法や労働時間の扱いによっては、失業手当の減額・支給停止、不正受給とみなされるリスクもあります。この記事では、失業保険とタイミーを併用する際の注意点や申告のポイント、よくあるトラブルを解説します。
タイミーで働くことは「就労」として扱われる?
原則としては「就労」とみなされる
タイミーでの業務は、単発とはいえ“労働の対価として報酬を受け取る”ため、ハローワークの判断では原則として「就労」として扱われます。つまり、働いた日は失業状態とはみなされず、その日の基本手当が支給されない可能性があります。
日雇い労働でも報告が必要
「1日だけ」「2~3時間だけ」などの短時間勤務でも、ハローワークではその日が“就職した日”として処理される場合があります。短時間・短期間だからといって、報告を怠ると不正受給とされるリスクがあります。
収入申告のポイント
働いた内容はすべて失業認定申告書に記入する
失業保険を受けている間は、4週間ごとに「失業認定申告書」を提出しなければなりません。その中に「就職・就労・内職・手伝いをした日」を記入する欄があり、タイミーで働いた場合はその日と内容を正確に記入する必要があります。
-
勤務日・勤務先(事業者名)
-
就労内容(例:飲食店ホール、倉庫内作業など)
-
勤務時間(開始・終了)
-
賃金の有無、または金額
ハローワークによっては、さらに詳細を求められる場合もあるため、勤務履歴や支払い明細を控えておくと安心です。
日額が基本手当より低ければ減額される可能性は低い
失業手当は「原則1日につき○円」という形で支給されます。タイミーでの労働によって得た収入がこの金額よりも少なければ、支給の停止や減額にはつながらないこともあります。ただし、その都度ハローワークの判断となるため、自己判断で報告を省略するのは危険です。
よくあるトラブルと間違えやすいポイント
「短時間だから申告しなくていい」と思ってしまう
タイミーの仕事は1~3時間など短時間のものが多いため、「この程度なら申告しなくても大丈夫」と自己判断しがちです。しかし、申告漏れが続くと、あとからハローワークに発覚し、不正受給として返還や給付制限の対象になります。
「就職活動をした日」と「働いた日」が重なってカウントできない
失業認定では、一定数の求職活動実績(例:2回以上)が必要です。しかし、タイミーで働いた日を「求職活動をした日」とはカウントできないことが一般的です。むしろその日は“失業していない日”とされ、活動実績にもならず、手当支給も対象外になる可能性があります。
同じ週に複数日働いて支給停止になる
例えば、週20時間以上働いたとみなされると、失業状態ではなく「就職した」と判断されてしまい、支給がストップするケースがあります。1日単位の仕事でも、積み重なることで「就職」と見なされる可能性があるため注意が必要です。
経験者から一言
私も実際に失業保険を受給中に「少しでも収入が欲しい」と思い、タイミーを使って数日だけ働いたことがあります。そのときに感じたのは、「自己判断で行動することの危険性」です。
ハローワークの説明はやや抽象的で分かりにくい部分もありますが、「とにかく申告をしておく」という姿勢が最も安全です。私は就労内容をすべて記録して、認定日にまとめて提出していました。その結果、特にトラブルもなく、必要な手当も受け取ることができました。
タイミーをはじめとするスキマバイトは、収入面の不安を和らげてくれる便利な手段ですが、失業保険のルールと両立するには注意が必要です。迷ったときはハローワークに相談し、正しく使うことで不安なく生活を支えていきましょう。