正社員でなくても手当がもらえる!?アルバイトやパートに就いてももらえる「就業手当」って何?

失業保険の受給期間が満了する前に正社員として再就職した場合、条件を満たすと「再就職手当」を受け取ることができます。

しかし、失業したすべての人が正社員として就職できるわけではないですよね。

社員登用の可能性のあるアルバイトやパートとして再就職することも珍しいことではありません。そのようなときは、正社員で再就職した時のような手当はないのでしょうか?

正社員で再就職すると「再就職手当」がもらえるけど、正社員以外の再就職だったら?

正社員以外のアルバイトやパートとして就業した場合、

  • 正社員同様の「再就職手当」がもらえる場合
  • 正社員の「再就職手当」にあたる「就業手当」がもらえる

この2通りの可能性があります。アルバイトやパートでも、再就職手当がもらえることはあるんです。

再就職手当がもらえる条件

アルバイトやパートでの就職で、再就職手当をもらうための条件は、

  • 雇用保険への加入
  • 1年以上の勤務見込み

これらを満たすことです。どちらかが欠けてもダメです。

アルバイトやパートの場合、労働時間が短かったり、1年以上の勤務見込みがなかったりするので、再就職手当の要件に該当せず、再就職手当がもらえない、ということになります。

しかし、逆に言うと、これらの条件を満たしていれば、パートやアルバイトという雇用形態であっても、再就職手当がもらえる可能性があるということです。

ただ、パートやアルバイトでの採用の場合は、正社員のような常用雇用でないことから再就職手当の要件に該当しないことがあり、その場合は就業手当がもらえるかどうかを考えていくことになります。

就業手当って?

例えば、今まで正社員で働いていた方が結婚して主婦(主夫)をするにあたって退職し、失業保険の受給期間中にアルバイトやパート先を見つけて採用されたときなど、正社員としての採用ではないけれど「就業手当」をもらうことができるのです。

また、正社員としての採用はできないけれど、正社員候補のアルバイトやパートという求人条件のものもあります。そのような求人の場合、正社員でなくても長時間就労のことが多く失業保険の給付に差支えが出ることがほとんどです。

そういった再就職先に、失業保険の受給期間が満了する前に再就職した場合も、残りの受給日数に応じて「就業手当」を受け取ることができます。

この「就業手当」にも、「再就職手当」をもらうときのように支給されるための条件があります。

アルバイトやパートでももらえる!「就業手当」をもらうための条件

アルバイトやパートに採用されると、どんな場合でも「就業手当」がもらえるのかというと、それは違います。

「就業手当」をもらうためには、決められた条件を満たさなければなりません。

  1. 就業日の前日までに、失業保険の支給残り日数が3分の1以上でなおかつ45日以上残っていること
  2. 再就職手当の支給対象にならない雇用形態であること
    (雇用保険に加入しない、もしくは、1年以上の雇用が見込めない場合)
  3. 待機期間が終わっていること
    (待機期間に内定や就労した場合は、失業状態が認められず「就業手当」以前に失業保険の受給資格が認められません)
  4. 給付制限がある場合は、給付制限一か月以内はハローワークなどより紹介された雇用先に限られます
    (給付制限から1か月以内にハローワークなどの紹介ではなく自分で見つけた就職先に就労すると、求職活動が認められず受給資格も認められなくなります)
  5. 離職前の会社やグループ企業などに再雇用されていないこと
  6. 受給資格決定後に内定が決まったものであること
    (受給資格決定前の内定だと、失業保険や就業手当の不正受給にあたってしまうことから)

以上の条件が揃うと、パートやアルバイトでの就職であっても、再就職手当のような「就業手当」が支給されることになります。

もし、正社員の再就職先がなかなか見つからず、アルバイトやパートなら採用されそうな場合は、この「就業手当」のことを頭に入れておくと、残りの失業保険給付をすべて丸投げにすることなく働き始めることができるかもしれません。

「就業手当」をもらう際に覚えておきたい注意点

しかしこの「就業手当」、考え方によっては損になると捉えらることもしばしばあります。

なぜならこの「就業手当」は、1日分が失業保険の受給日額の30%しか支給されません。この額は受給日額の60%が支給される再就職手当の半分になります。さらに、この30%も、上限があるので、さらに少なくなります。(平成27年6月現在、1日あたりの上限額は1,741円です。)

また、この「就業手当」を受け取ると、失業保険の給付が満了したと同じ扱いになり、雇用保険の加入期間もリセットされてしまいます。

アルバイトやパートに就いて、「就業手当」で本来の給付金額の30%だけもらうよりは、失業保険の残り日数の満額をもらってから再就職した方が得、と考える方が多いようです。

「就業手当」をもらえるアルバイトやパートは、長期勤務が約束されているものに限られます。短期のアルバイトやパートではこの「就業手当」は支給されないことになっています。

どれくらいの期間から就業手当の対象になるのか

数日程度の短期のバイトであれば、就職したとはみなされませんが、ある程度の期間で働くことになれば、それは就職したとみなされる可能性があります。

就職したとみなされれば、失業保険の支給がストップし、就業手当や再就職手当をもらうべき状態になってしまいます。

じゃあ、どれくらいの期間働いたら就業手当の対象になるか(失業保険がもらえなくなるか)、この辺は具遺体的にはハローワークの判断によるところもあるんですが、一般的には

  • 1週間の労働時間が20時間以上
  • 雇用期間が31日以上

これらの条件を満たすと、就職したことになり、失業保険がストップします。

就業手当は安いから、失業保険をフルにもらう・・・のはずが、ちょっとバイトしすぎて就業手当をもらう羽目になってしまった・・・なんてことがないように注意しましょう。

就業手当をもらうよりは、失業保険を満額もらうことを優先した方がメリットは大きい

どのような形であれ、再就職先が見つかるのは喜ばしいことですが、失業保険の給付額を基準に見てみると、就業手当というのは少し損な制度です。

もちろん、時と場合によっては就業手当をもらった方が得なこともありますが、多くの場合は、就業手当をもらうくらいなら、失業保険を満額受け取りながら、自分の希望に合う再就職先を見つける方が、最もメリットの多い失業生活ということになるでしょうね。

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