「もう限界…」「とにかく今の会社を辞めたい！」という思いから、転職先が決まる前に退職を考える人は少なくありません。しかし、勢いで辞めると後悔することも。ここでは、転職先が決まる前に退職するリスクと、それを回避するための対策について詳しく解説します。
転職先が決まる前に退職するリスク
貯金が尽きる可能性がある
退職後は収入がゼロになります。失業保険をもらうとしても、自己都合退職の場合は3か月の給付制限があるため、すぐには受け取れません。無計画に退職すると、貯金が尽きて生活に困る可能性があります。
特に注意が必要な支出
- 家賃・住宅ローン
- 健康保険（任意継続 or 国民健康保険）
- 住民税（前年の所得に基づくため高額になりがち）
- 年金（国民年金の支払いが必要）
転職活動が長引くリスク
「すぐに転職できるだろう」と思っていても、求人市場の状況や自分のスキルによっては、思うように仕事が見つからないこともあります。ブランクが長引くほど、転職活動で不利になる可能性があるので注意が必要です。
メンタル面での不安が増す
退職直後は「自由だ！」と解放感を味わえても、時間が経つにつれ「このままで大丈夫だろうか」と不安が増してきます。焦って転職活動をすると、希望とは違う仕事に妥協してしまうことも。
社会的信用が下がる
無職期間が長くなると、クレジットカードの審査やローンの申し込みが通りにくくなります。特に、住宅ローンや賃貸契約を考えている人は注意が必要です。
転職先が決まる前に退職する場合の対策
生活費のシミュレーションをする
退職後にどのくらいの支出があるのか、失業保険を考慮しながら計算しておきましょう。少なくとも6か月分の生活費があると安心です。
計算のポイント
- 月々の固定費（家賃・食費・光熱費・通信費など）
- 退職後に発生する税金・保険料の支払い
- 失業保険の受給予定額と支給開始時期
退職前に転職活動を進める
できる限り、働きながら転職活動を進めるのが理想です。
- 週末や平日の夜に面接を入れる
- 転職エージェントを活用して効率よく進める
- 職務経歴書を作成し、すぐ応募できる状態にする
仕事を辞める前に内定をもらえれば、リスクを大幅に減らせます。
退職後にスムーズに転職活動を進める工夫
もし転職先が決まらないまま退職する場合、以下のことを意識しましょう。
- 生活リズムを崩さない（朝起きて、活動的に過ごす）
- 転職活動のスケジュールを決める（毎日○件応募するなど目標を設定）
- ブランク期間の説明を考えておく（職業訓練・資格取得など何かしらの活動をする）
資格取得やスキルアップを検討する
ブランク期間を有効活用するため、転職に役立つ資格を取得したり、オンライン学習でスキルアップするのも有効です。
おすすめの資格・スキル
- 事務職 → MOS（Microsoft Office Specialist）、簿記
- IT系 → 基本情報技術者試験、Python・SQLなどのプログラミングスキル
- 語学 → TOEIC、英会話スキル向上
転職市場での価値を高めることで、次の仕事が決まりやすくなります。
経験者から一言
実際に転職先が決まる前に退職した経験から言えることは、「計画なしの退職は後悔しやすい」ということです。
無職期間は、自由がある反面、精神的・経済的な負担も大きくなります。特に、貯金が少ない状態で辞めると、「早く仕事を見つけなきゃ」という焦りから、希望とは違う仕事に就いてしまいがちです。
とはいえ、心身が限界なら無理して働き続ける必要はありません。
ただし、退職する前に「お金の計算」と「次の行動の見通し」は立てておくことをおすすめします。
- 貯金が十分にあるか？（最低6か月分が目安）
- 退職後の支出（税金・保険）を把握しているか？
- 転職活動のスケジュールを立てているか？
- ブランク期間をどう活用するか決めているか？
これらをクリアしていれば、転職先が決まる前に退職しても大丈夫です！
無計画な退職は後悔のもとになりますが、しっかり準備すれば「人生を見つめ直すチャンス」にもなります。 焦らず、着実に次のステップへ進みましょう！