ハローワークでは教えてくれない? 失業保険を受給するために知っておきたい基礎知識

これから会社を辞める人、既に会社を辞めてしまった人、あるいは辞めたくはなかったけど会社が倒産してしまった人には耳寄りなお話となります。

中には、失業を『お先真っ暗』だと考えている人もいるのではないでしょうか。反対に、憧れの『自由人』となった醍醐味を満喫している人もいるかもしれません。

会社勤めを『懲役刑』に例えるのであれば、失業は晴れて自由の身となる『仮釈放』の様なものでしょうか。

とはいっても、これまで安いながらも当たり前の様にもらっていた給料が無くなると、さすがに心細くなってしまいます。何よりも明日からの生活費が気になるのです。

しかし、心配はご無用です。

真面目に何年も働いてきた人でしたら、毎月の給料からの天引きでコツコツと自動的に積み立てられてきたお金から支払われる『失業保険(雇用保険と呼ぶこともあります)』という制度によって、再就職するまでの当面は食い繋ぐ事ができるのです。

ハローワークでは教えてくれない?

ハローワークは、あくまでも事業主と求職者の仲介、・・・つまり、就職先を紹介するのが本業の施設です。

施設内には失業保険の専門窓口があるのですが、その辺りの詳しい事は積極的には教えてくれないこともあります。

そのため、失業保険の存在自体を知らない人も少なからずいるのです。

失業保険を受給するにはどうしたらいい?

まずは『受給資格』を確認することから始めます。

何はともあれ、失業保険の受給資格が有るかどうかは真っ先に確認しなくてはいけません。当たり前の事ですが、失業をしたら誰でも失業保険を貰える訳ではないのです。

とりあえず下記の2点の条件を満たす必要があります。

  • 雇用保険の被保険者であること
  • 被保険者であった期間が、離職前の2年間に通算12ヶ月以上あること

つまり、1年以上普通に勤めていればOKという事です。(倒産やリストラの場合は、この条件が緩和されます。)

これを確かめるには、給与明細を確認してみるとよいでしょう。毎月の天引きの中に「雇用保険料」という項目が有るはずです。

これを1年以上支払っていれば、失業保険の受給資格があるということになるのです。

ちなみにこれは、複数の会社に渡って通算する事もできます。

失業保険を受給するための条件をもっと詳しく

通常は、

  • 雇用保険の加入期間が12ヵ月以上あること
  • 離職の日以前2年間に、賃金支払の基礎となった日数が11日以上ある雇用保険に加入していた月が通算して12ヵ月以上あること。

この2点を満たせばOK。簡単に言うと、1年以上働いていたことが要件となります。

離職の日以前に被保険者区分の変更のあった人や、被保険者であった期間が1年に満たない人は、「被保険者期間」の計算が異なる場合があります。

特定受給資格者は6ヵ月以上

特定受給資格者(いわゆる会社都合での退職者)については、離職の日以前1年間に、賃金支払の基礎となった日数が11日以上ある雇用していた月が通算して6ヵ月以上ある場合も可となります。

65歳以上で離職した人は、離職前1年間に原則として雇用保険に加入していた期間が満6ヵ月以上あり、かつ賃金支払いの基礎となった日数11日以上の月が6ヵ月以上あれば、要件を満たすことになります。

失業の状態にあること

ハローワークに行って、求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があることが条件となります。

いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても職業に就くことができない「失業の状態」にあることも受給資格の要件の一つとなります。

失業手当は再就職を支援するための手当ですから、仕事に就く意思の無い人、または就けない人には給付されることはありません。

なお、下記に挙げた状態にあるときは、すぐに働くことができる状態にないことから失業手当は支給されません。しかし、状態が回復する等して働ける状態になれば、その旨を申請して失業給付を受けることができるようになります。これらの場合は受給期間を延長しておいた方がよいでさほう。(延長の手続きがあります)

  • 病気やけがで、すぐには就職できないとき
  • 妊娠・出産・育児で、すぐには就職できないとき
  • 定年などで退職し、しばらく休養しようと思っているとき
  • 結婚などによって家事に専念し、すぐに就職することができないとき

ハローワークに「求職の申込」をしていること

失業等給付を受けるためには、住所地を管轄するハローワークに離職票を提出するとともに、「求職の申込」をしていることが必要となります。

「雇い止め」等の場合の特例(特定受給資格者)

平成21年3月31日の法改正によって、特定受給資格者(いわゆる会社都合での退職者)に該当しない人であっても、期間の定めのある労働契約が更新されなかったこと、さらにその他やむを得ない理由により離職された人(特定理由離職者、いわゆる「雇い止め」等)については、通常、基本手当の受給資格要件として離職日以前の2年間に被保険者期間が通算して12ヶ月以上必要なところ、離職日以前の1年間に被保険者期間が通算して6ヵ月以上あれば受給資格要件を満たすようになりました。

12ヵ月以上働いていることが一つの目安

自己都合退職の場合では、失業保険は12ヵ月以上働かないともらえません。

12ヵ月以上働いていれば、自己都合退職の場合でも90日分の失業保険がもらえます。

もしそれが11ヵ月だと、会社都合の退職等でもない限り、全くもらえないことになります。

失業保険をもらおうとするなら、最低でも12ヵ月は頑張って働くようにしましょう。

月の労働日数が11日よりも少ないと、計算に含まれないので注意

ここで注意点が一つあります。

12ヵ月働いていれば必ず失業保険がもらえるかというと、必ずしもそうではありません。

賃金支払の基礎となった日というのは、いわゆる「働いた日」です。

これが1ヵ月に10日以下では、その月は1ヵ月分としてカウントされないのです。

例えば、12ヵ月働いていても、その内の1ヵ月が10日しか働いていなかった場合、トータル11ヵ月としてカウントされてしまい、失業保険がもらえなくなるのです。

失業保険がもらえるかどうか、12ヵ月をクリアしているかどうか考えるときは、月の勤務日数に注意するようにしましょう。

条件をクリアしたら、次は必要書類を確保しよう

地域によっては多少異なる事もあるのですが、ハローワークで失業保険の手続きをするにあたって必要なものは下記の通りとなります。

・雇用保険被保険者証
・離職票
・印鑑
・住民票(運転免許証でも可)
・本人名義の銀行口座の通帳

失業保険の受給は後ろめたい?

仕事を辞めてすぐに、次の仕事を求めて就職活動を始める人は少なくないでしょう。

中には「失業保険を貰うのは甘え」だと言う人もいるかもしれません。

失業保険を毎月受給しながら就職活動を行う事は悪いことではありません。何よりも毎月の生活費などの心配をせずに済むのですから、この制度を利用しない手はないでしょう。じっくりと再就職先を見つける事が出来るのも安心材料です。

また、失業保険を受給しながら職業訓練校などの専門学校に通う事もできます。全くの未経験者でも異業種への転職を有利に進めるという考え方も出来るのです。

新卒や、受給資格の無い人は?

新卒の人や、勤めてもすぐに辞めてしまった場合では、受給資格が無いということになります。ですから、『受給資格を確保』してから辞めるという選択肢もあるのです。先述しましたが、継続して1年働けば失業保険の受給資格を得ることができます。

仕事を始めて、自分に合わないと思ったらすぐに辞めるほうが自分のためにも、勤めている会社のためにも良い場合が多いです。

しかし、せっかく入社したのですから、1年以上は我慢して勤めるのも悪いことではありません。というのも、そういった負の経験もいつかは自分の役に立つことがあるからです。後で思い起こしたときに「そんな経験もしたな」という知識が長い人生の中で役立つことは少なくありません。

何事も少しは辛抱して続けてみるほうがいいこともあるのです。

できれば、受給資格のもらえる1年間続けてみましょう。

ちなみにですが、失業保険の給付日数は、雇用保険の加入期間が長ければ長いほど多くなるのですが、加入期間1年~10年未満は同じ給付日数(リストラ等の場合を除く)なので、2年とか3年という区切りは、あまり関係ありません。とにかく1年、これが大事です。

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