失業保険の受給日数は延長できる?延長が認められる条件や期間は?

仕事を退職して失業保険をもらいながら再就職をめざしていても、時期や希望の職種によってはなかなか就職先が決まらないこともあります。

就職活動はしているけれど決まらない。でもとりあえず失業保険があるからなんとかなるか、なんて思っていませんか?

失業保険の給付申請のときに説明があったかと思いますが、失業給付には決められた受給日数があります。新しい就職先が決まらなくても、一定期間が経ってしまうと給付は打ち切られてしまいます。

失業保険の給付日数の期限

ハローワークでは給付日数を「90日~360日の間」と定められています。この4倍もの日数の開きは、退職理由と雇用保険の被保険者であった期間や年齢により細かく区分されているためです。

退職理由で給付日数が変わるのは、一般的に自己都合で退職した場合はそれなりの準備(生活面や再就職先のあてなど)ができているものとして考えられ、会社都合の場合はなんの準備もなく急に失業してしまったから、という想定のもとです。

被保険者であった期間は、長ければ長いほど支払った保険料も多く、また長い期間働いていたことで年齢も高くなり再就職の難易度が上がってしまうからです。

年齢区分は自己都合退職以外の「特定理由離職者」(主に会社都合の退職者)と「就職困難者」にのみ適用されます。「就職困難者」とは、身障者や保護観察中の人などが該当します。こちらも年齢が上がるほど再就職が困難になるため受給日数が長くなります。

自己都合退職の場合の受給日数は雇用保険の被保険者であった期間によって「90日~最大150日」、特定理由離職者は被保険者であった期間と年齢により「90日~最大240日」の受給期間があります。また、就職困難者は雇用保険の被保険者であった日数と年齢により「150日~最大360日」の受給期間となります。

つまり、就職困難者以外での最大受給日数は「最大240日」となります。

働ける状態じゃなくなったとき、受給期間は勝手に過ぎて行ってしまうの?

しかし、受給期間が短くても90日、自己都合退職の場合は給付制限3か月があるのでもらいきるまでの6か月のうちに、万が一のことがないとは言い切れません。

もし病気やけがで長期入院や自宅療養になったら、求職活動もまともにできないうちに受給期間だけが終わりに近づいてしまいます。しかも失業給付は「求職活動をしていること」が条件です。

そんな万が一の事態になってしまったら、失業認定も受けられず求職活動もできずただだまって給付期間が過ぎていくのを眺めているしかできないのでしょうか?

いいえ、そんなことはありません。求職活動ができない間の失業給付はもらえませんが、その分期間を延長してもらうことができます。

働けない理由が30日以上になったとき、ハローワークで申請をすると受給日数をその分いったん停止させ、受給期間を引き延ばしてくれます。

延長の申請は、働けない期間が30日以上になった翌日(つまり31日目)から1年以内にしなければなりませんが、最長で3年間の延長が認められます。

入院などでハローワークに出向くことが出来ない場合は郵送や代理人でも申請できるので、失業給付を受けている期間のもしもの時は必ずハローワークに連絡をしましょう。

延長の申請ができないケース

注意点は、けがや病気のための「傷病手当金」を受給した場合や、退職時の年齢が65才以上の場合は延長の申請ができません。

「傷病手当金」とは、「求職の申込みをした後に病気やけがのために再就職できない場合に、その病気やけがのために基本給付を受給できない日の生活の安定を図るために支給されるもの」です。

「傷病手当」はその病気やけがで求職や再就職ができない期間が15日~30日以内の場合に給付されます。金額は失業保険の基本給付と同額になります。14日以内の場合は、理論上失業認定日に都合を合わせることができるため失業認定日に認定されれば基本給付の扱いになります。この「傷病手当金」の申請も、受給期間の延長と同じく代理人や郵送で申請ができます。

失業保険の受給期間延長の条件は?

では、この給付延長の条件とはどのようなものがあるでようか?

一番多いのは病気やケガでの入院や自宅療養でしょうか。女性では、妊娠・出産や育児もこのカテゴリーに含まれます。また、親族が要介護になり自宅で介護をしなければならなくなった場合も同様の条件とみなされ、延長の申請ができます。この場合は最長で3年間まで延長が可能です。

ただし、60才~65才以下の定年退職者は延長期間が最大1年間となります。この場合は申請時に医師の診断書などが必要になります。

60才~65才以下の定年退職の方は退職の翌日から2か月以内に手続きをすると受給期間を延長することができます。せっかくの定年後を少し休養したいという方は退職から2か月以内に延長申請しましょう。

また、ハローワークの斡旋する特定の職業訓練を行う場合も延長が可能です。この場合は職業訓練期間が受給日数を超えた場合のみですが、延長の手続きなどは訓練校が一括して申請し、失業認定の訓練校で請け負うのでハローワークへ出向く手間が省けます。この訓練は3か月から2年に及ぶものもありますので、失業保険給付期間内に再就職先が見つかりそうにない場合はこの訓練を利用するのも一つの手です。

万が一働けないという事態になってもあきらめずにハローワークに相談しましょう。個人個人のケースに最適な失業給付のもらい方を提案してくれるはずです。

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